単品突破型チラシ

チラシというのはほっておくとどんどんアイテム数が増える傾向がある。とりわけチェーンストアになレアその傾向が強い。何故ならば、バイヤー、または店舗側から売りたい商品を載せて欲しいという要望がひっきりなしにくるからだ。反則担当者は本来商品を絞りたいのであるが、それがなかなかできないのが現状だ。ゆえにチェーンストアのチラシというのは特徴がない総花的なチラシになりがちである。

80年代、90年代前半まではそのような品揃え型チラシでよかった、事実、我々も多アイテムMDチラシと言って商品写真を米粒大まで小さくし、やたら商品点数の多いチラシを提案していた。あらゆる業界でほぼ100%このチラシが当たり、よく売れたものだった。

ところが90年代の中頃あたりからこのチラシの反応が落ちてきた。前述のように、バブル崩壊以降、価格訴求が目立つようになり、さらには2000年代に於いては品揃え型が全く当たらなくなってきた。しかし、未だに世の中のチラシは品揃え型が多い。特徴のない総花的なチラシは誰も見向きもしないのに。お客様の望んでいるのはもはや総合性ではない。なんとなく豊富というものに魅力を感じなくなっているのだ。むしろ、突出した独自性を要求しているのである。

そこで今注目しているのが単品突破型チラシだ。これはっ店舗で売るべき主力商品のみに絞ったチラシであり、単品で他店を圧倒的に突出しているとことからそう名付けた。ゆえにチラシではその商品しか載せないのである。

山形、福島ではダントツでカバン店を8店舗展開している「カバンのフジタ」ではチラシを数うねん前より、単品に絞って作っている。従来は全てのカバン、つまりブランド、ボストン、ビジネス、トラベルなど全ての分野にわたりチラシに掲載していた。しかし、数年前より完全に絞り込んだチラシに変えていったのだ。

たとえば、1月にはランドセル、6月は、ビジネスバック、9月はトラベルバッグ、12月は財布というように完全に単品に絞ったチラシで構成している。当然、その単品の売り上げは上がり、それにつられ全体が底上げされ、集客、売り上げアップに成功した。確かに総合的なチラシから単品に変えるのは勇気がいる。しかし、そこで緻密なるMDと思い切ったピンポイント展開で活路を見出すのである。

 

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