デザインのイメージ力

まずイメージを持つ。デザインという仕事の中で、これが最低限度必要な能力というものがあるとすれば、それはイメージ力である。イメージ力とは、人なら誰にでも与えられている能力である。頭の中に浮かぶ映像を、イメージと呼んでいることからも分かるように、人の頭の中には、常に映像が浮かび上がっている。イメージは言葉ではなく、映像であるというところに注目して欲しい。ものごとを絵で理解するのに慣れると、全体を把握するのに時間がかからない。言葉に置 き換えようとするとかなり詳細な説明と時間が必要である。

例えば、風景を説明する時、言葉よりもその写真を見せれば、一瞬にして具体的にその風景を伝えることができる。もちろん、映像では伝え切れないものもある。そんな時は言 しいイメージが湧いてくる。このイメージこ葉で補えばいい。 そが、チラシのデザインを決めることになる何らかの行動をする前に、人は必ずこれからのことをイメージしている。このイメ ージ実現するために、種々の手段を考え、実行に移す。デザインという仕事もまた、まずイメージがあって、それをどのようにビジュアル ( 視覚化)にしていくかの計画なのである。

クライアン卜から与えられた仕事の全容を把握し、そのチラシがどんな目的を持っているかを確認しながら、伝えるべきメッセージを整理する。お知らせのような情報を伝えるのか、商品のイメージを伝えたいのか、それによってデザインは大きく違ってくる。イメージを浮かべるには、漠然と考えてもなかなか的確なものは出てこない。送ろうとしているメッセージの本当のねらいと、その性格をまず分類する。