高単価品の価格表示を工夫する

■いかに安く見せるか

高単価品は小売店としては当然売りたい商品の一つである。となれば、チラシに載せたくもなってくる。しかし、載せると高いイメージとなり、チラシ全体に悪影響を及ぼしかねない。この矛盾を解消するために、高単価品の価格表示方法に工夫を凝らす手法がある。考え方としてはいかに安く見せるかという安さ感の演出が基本となる。その方法は以下の通り。

・分割払いを訴求する。

古典的な手法であるが、クレジットの「丸井」が急成長したのもこの手法による。ポイントは月々の支払をできるだけ安く打ち出すことである。また、何回払いかという回数表示を明示しなくてはならない。

最近の当たった例では、フランスベッドの羽毛布団1000円キャンペーンなどがある。羽毛布団が月々わずか1000円で買えるというのは強烈なインパクトがあり、安さ感が出る。

・1日当たりの価格に換算する

この手法では、まず商品の太陽年巣を大枠で算定し、日数を出す。例えば、30年は持つ商品であれば、30年×365日=10950日となる。そしてこの日数で、商品価格を割るのである。すると、一日当たりの価格が出る。10万円の商品なら、10万円÷10950日≒9円となる。そこで、「なんと一日たったの9円!たばこ1本分よりも安い!!」という表現に変える。この言葉の置き換えが重要である。

・「万円」という表示にする

人間の心理として、ゼロがたくさんつくと高く感じるものである。そこで、10万円を超えるような商品は文字で「○○万円」と書くなどして、ゼロをなるべくとったほうが安く感じる。例えば、車なども、1298000円と表示するよりも、1298万円と表現するほうが、ぱっと見てもわかるし、なんとなく割安感を演出できるものである。人間は錯覚するいきものであるから、この心理を上手に利用していただきたい。