本音を伝えるメッセージチラシ

■メッセージでチラシに差別化を

チラシは自店の商品力の強さを伝え、その価値/価格の高さをPRし、お客様に来店してもらうためのツールである。お客様は商品を買いに来るのだから、商品力すべてのベースになるのは当然だ。しかしここ数年厳しい不況期が続き、商品の売れ筋・死筋がよりはっきりしたため、小売店もほとんどが売れ筋集中型のMDへと移行していった。その結果、おのずとMDが各店ともに通ってくるというげんしょうが 冲、それと連動して、チラシも似通ってきた。

つまり、各店の特徴がなくなり、差別化がしにくくなったのである。そのような中でチラシを当てるには、新しい切り口が必要である。それが「メッセージ」を伝えるという技術である。

■店の思いをストレートに表現する

商品はどんな商品だろうと、売るときには人が介在する。完全セルフサービスの店でも自動販売機であっても、その気は人の知恵が必ず介在している。例えば同じ商品を置くのでも、陳列の仕方、置く場所、POPなどで全然売れ行きが変わってくる。つまり、その店のオーナー、店長、売り場担当者がその商品に対する熱い思いや、店事態に対する思い入れ=メッセージをストレートに表現することが必要なのだ。そしてメッセージチラシとは店の強さである「商品力と人間力」をストレートに伝え、特に人間力のほうを強く訴える新しいタイプのチラシなのである。

■包み隠さないお店の気持ちが共感を呼ぶ

今話題の「買ってください」というチラシだ。あるチラシでは、店の仕入れ担当者がストレートに今の気持ちを伝え、自分のミスをお客様に公開にさらけ出し、「お願いします、買ってください」と訴えている。この時のお客様の反応はどうかというと、これがまた面白く、興味深い。来店者の大半は「面白いからとりあえず行ってみよう」「この低姿勢がいい」「そこまで言うなら行ってみよう」など、商品そのものを買いに行くというよりも、その低姿勢な態度に共感して来店しているのである。この共感というのも、これからの時代のキーワードである。これをチラシ上で応用することも、集客戦略の中で大きくクローズアップされてきている。