二重プライス表示も大いに使う

■もっとも安さを感じやすい

お客様はチラシをみていったい何を基準にして安さを感じ、来店してくるのであろうか。

チラシは安さの演出が大切と、繰り返し述べてきたが、その最たる技法が2重プライス表示である。

指導先や講演会でこの話をすると、「時代はワンプライスだと思うのですが…」「公正取引委員会から勧告を受けました。どうしたらいいでしょうか」などという質問が出てくるが、基本的には、やればいいと思う。なぜなら、お客様には不利益を与えていないからである。

数年前、某紳士服店が行き過ぎたチラシ表現が原因で消費者離れが起きたという話があったが、実態は違う。本当の原因は、上グレード志向だった百貨店が4万9800円、5万9800円のスーツで巻き返しを図ったからだ。決してチラシの上限の問題ではない。

消費者不利益という点では低下を入れないほうが不利益である。なぜなら、低下を目安に買っているお客様がまだまだ多いからだ。とはいえ、勧告を受けたのであれば、いったん引いたほうがいいだろう。そこら辺は大人の対応だ。

二重プライス表示には大きく2つの表示方法がある。

・定価と売価を表示する

定価○○○円がズバリ○○○円!という表示。これは最も一般的なパターンであるが、もっとも多く使うこと。

・通常売価と売り出し特価

通常○○○円がオープン価格○○○円という表示目玉商品の多くがこのパターンの表示である。このような表現はお客様に「今まではこの価格で売っていましたが、値下げしています」という情報を伝えることになるので、お客様志向しているといえる。うそを書いてはいけないが。